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食品回収(リコール)制度とは

アレルギーの表示がなかった、異物の混入が判明したというように、様々な理由で食品のリコール(回収)が行われています。食品を製造・販売する企業は「食品(商品)で事故を起こさないために安全管理を万全にする」動きが高まっていますが、その一方で「万一の事故を起こしてしまった場合」にはどのような行動をとるべきなのでしょうか。また、その「万一の備え」には、どういった対応が必要なのでしょうか。ここでは、食品リコールに関する現状とその理由、これから行われるとされる食品衛生法の改正によって、企業と食品リコールがどのように関わってくるのかをまとめます。

 

 

■食品回収(リコール)の現状

 

食品回収には、法令に基づくものと、法令に基づかないものが存在します。法令に基づくものに関しては、企業からの報告や行政による調査の結果「食品関連の法令に違反又は抵触のおそれがある」と見なされた場合は、行政命令として回収が指示されます。

法令に基づかない場合は、企業が独自に定めた基準から逸脱する場合や企業イメージが低下するおそれがある場合のような社会的影響によって判断されるケースがほとんどです。

実は、年間1,000件程に上る食品回収のほとんどは「自主回収」によるものです。軽微なものでも「万が一に備える」ために、その可能性のある製品全てを回収すると言った措置が取られることがほとんどです。また、自主リコールの判断基準には標準がなく、各企業の判断に委ねられています。

食品の自主回収は、「法令に基づかない・企業による自主的な食品回収」ですので、通常は報告の義務はありません。そのため、厚生労働省が正確な食品回収の事案数を把握できていないというのが現状です。しかし、中には自治体で条例を定め、自主回収(法令に基づかない)の場合でも、報告するよう義務付けているところもあります。多くの食品販売・製造業を営む企業は、報告の義務はないにせよ自治体や関係省庁への自主的な報告やメディア及び自治体HPなどを通して、消費者に対しリコール情報を発信しています。

 

■食品回収(リコール)の理由

 

食品回収は、事案別に見ると不適切な食品表示に関するものが半数近くを占めています。

食品表示とは、原材料などその食品に使われているものを表示することで、平成27年に改正された食品表示法によって、より詳しく表示されることとなりました。これによって、アレルギー物質の有無などがより分かりやすくなったといえます。

リコール件数が多い不適切な表示としては、アレルゲンなどの特定原材料(卵・小麦・乳・えび・かに・そば・落花生:特定7品目)の表示が漏れていたことや消費期限・賞味期限を誤って表記したことなどが挙げられます。また、異物混入(商品に意図しない異物が混入した)も自主回収の代表的な例となります。

また、加熱殺菌が十分でなかったり、パッケージのシーリングが不十分だったというような品質不良による例もあります。

 

■食品衛生法の改正で報告が義務化される

 

2018年以降に食品衛生法の改正が見込まれており、これまで全国の一部の自治体でしか取り組めていなかった「自主回収の報告制度」が国の法令として義務化される見通しです。これにより、各自治体の回収情報が厚生労働省に集まり、その情報が厚生労働省のHP上に公開されることになるでしょう。

これによって、消費者に対して食品リコールに関する情報を広く周知できることになりますし、国としても食品リコールの発生件数を把握することができるようになります。そして、より具体的な施策やガイドライン等の整備がしやすい環境も整うのです。

 

食品回収には、行政命令によるものと自主回収によるものがあります。その多くの場合は、企業のコンプライアンスに基づく自主回収ですが、不適切な表示や異物混入というような重大なケースもあるので注意が必要です。また、食品衛生法の改正の中にはHACCP制度化も盛り込まれています。食品事業者の皆さまは、食品衛生の国際標準化が求められていることを認識し、近い将来の食品衛生法改正に向けて少しずつ準備を始めることをお勧めします。

 

※本記事の内容は、2018年4月現在の内容に基づいています。

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