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食品衛生法改正にともなう容器包装のポジティブリスト制度化

日本では、「食品衛生の国際基準」を導入する動きが高まり、2018年以降に食品衛生法の改正が見込まれています。「食の安全」は食品だけではなく、その食品を梱包する食品パッケージや製造加工用の機器、調理器具などにも適用されると考えられます。そのため、飲食に起因する衛生面での危険を未然に防ぎ、国民の健康保護を図るための法整備が重要視されています。また、国際的な規格基準に準じた食品用器具を使うことや、容器包装を行うことも必要とされています。ここでは、現状についての説明と、制度化されるポジティブリストに対する課題などをまとめました。

 

■現状の容器包装について

 

食品の調理や配膳に用いられる器具や容器包装は、食品衛生法に基づいて、「ネガティブリスト制度」による規制が取られています。これは、個別の規格基準を定めた物質についてのみ、使用の制限が行われるものです。これにプラスし、業界団体において自主基準を設け管理を行うといった取組みが進み、その安全性の確保が図られてきました。

技術革新によって化学製品等の開発が進み、法律によって決められた「ネガティブリスト」に掲載されていない物質も存在するようになりました。日本では個別の規格基準を定めない限り規制対象から外れてしまいます。たとえ海外で使用が禁止されている物質であっても、ネガティブリストに掲載されていなければ「日本では使用可能」な物質となるのです。

自主基準によって「海外と同等」の厳しい基準を適用する食品販売企業が大半ですが、基準を満たすためには設備投資や、材料購入などの費用も大幅にかかってしまいます。このような理由も手伝い、「ネガティブリスト対象外」のため、国内では使用可能でも、海外では規制がなされている、いわゆるグレーゾーンの物質を使用した容器を用いているというような懸念も生まれるのです。

 

■ポジティブリストとネガティブリスト

 

日本の食品衛生法では調理器具や食品梱包の素材として「使用できない物質」をリストアップして紹介しています。これを「ネガティブリスト」と称しています。先に記したとおり、海外で使用が規制されている物質でも、リストに掲載されていない物質であれば「規制対象外」となり国内では使用できるという矛盾が生じています。

一方、欧米などの先進国では、物質それぞれの安全性を評価することで使用を認めるといった方式をとっています。使用許可が下りた物質をリストアップし、リストに掲載されていない物質の使用を原則禁止とする仕組みが導入されています。これを「ポジティブリスト」と称しています。

日本でも様々な物質の開発とともに製品が多様化されています。これによって安全性の確保に関心が寄せられるようになりました。これまでのネガティブリスト制から、国際ルールに則ったポジティブリスト制度を導入するための検討が進められています。

 

■ポジティブリスト制度化への課題

 

検討会が立ちあげられ、ポジティブリスト制度化に向けた取りまとめがなされた結果、課題が浮き彫りとなりました。

1)まずは合成樹脂をポジティブリストの対象とし、他の材質については、それぞれの物質のリスクを踏まえポジティブリストの対象にする必要性や優先度合いを検討する。

2)ポジティブリストの対象物質の範囲やリスク管理に関することは諸外国や日本での業界団体の取り組みを踏まえて具体的に検討する。また、ネガティブリストからポジティブリストへの転換によって、不都合が生じることも懸念されるので、従来使用されている既存物質に関して、一定の要件を満たす場合に限り、使用できるよう配慮すること。

3)ポジティブリスト適合製品を製造するためには、管理対象物質の必須情報が事業者間で伝達される仕組み作りが必要とされ、原材料の製造事業者による器具・容器包装の事業者側への情報提供も可能な仕組み作りが必要である。

4)ポジティブリスト制度では、製造工程においての原材料の適正管理や意図しない物質の混入防止といった管理が必要となり、適正な製造管理制度を位置付けることも盛り込む。

5)器具及び容器包装事業者を監視指導するためには、同事業者の把握とともに適切な監視指導を行う具体的な方法が必要となり、自治体(都道府県など)が器具及び容器包装事業者を把握するための届け出などの仕組みを検討すること。

 

5つの課題が今後議論・検討され、食品衛生法の改正に盛り込まれる見込みです。監視指導方法の具体化や仕組み作りの他、第三者機関の活用などの検討と並行しながらポジティブリスト制度の導入に取り組むことが求められます。

 

 

食品梱包に関しては、企業努力による自主規制等が行われ、欧米の基準に近いところでの器具・資材作りが進められています。今後のポジティブリスト化によって、グレーゾーンにある素材も明確化されていくことが期待され、さらに、食品に対する安全性が高まることでしょう。

 

※本記事の内容は、2018年4月現在の内容に基づいています。

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