一般財団法人 石川県予防医学協会 料金一覧   フロア案内   アクセス・駐車場

食品衛生法改正による飲食店営業許可等の見直し

日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催国として、食のグローバル化を目指し、食品衛生の国際標準を導入するといった法整備が進められています。

これに伴い、飲食店の営業許可に関する制度も見直しの方向で動いています。ここでは、飲食店営業許可に関する現状や、制度見直しに関するあらましの他、創設される見込みの「営業届出」についてまとめます。

 

■現状の飲食店営業許可

 

飲食店を開業する場合や、食品加工施設を建設する際には、施設の所在地を所管する保健所から飲食業許可を受ける必要があります。飲食業許可とは、飲食物の製造や加工を行うほか、提供することを「業として(仕事として)」行う時に必要な許可です。ただし、飲食業許可といっても、「許可を受けたからどんな食品を販売しても構わない」ということではありません。取り扱う食品や加工の形態、販売のみというような業態の違いによって、設備やそれに伴う専門知識も異なります。このことから、飲食や加工を伴う営業を行うには「その業種」に対しての許可が必要となります。

現状では、「飲食店営業」「喫茶店営業」「菓子製造業」など34種類に及ぶ業種から営業に必要な業種を選択し、申請を行わなければいけません。

このところの外食や中食産業をみると、34種類と細分化されている許可業種に合わない形態をとっているお店も増えています。中には営業にあたって複数の許可を申請する事業者や、事業形態を変更するために業種追加を行う事業者も存在しています。それに付け加え、許可基準は各自治体に委ねられているところが多く、見解が異なることもあるため、「食のグローバル化」を目指す現状とは合わないことが浮き彫りとなっています。

 

■食品営業許可の制度の見直し

 

先に述べた34種類の許可業種において、現状とそぐわない部分があることにより、業態に合わせるべく複数の許可を受ける必要がある場合や、衛生面で配慮が必要な業態であるにも関わらず、営業許可が不要な事業があるといった問題点も多く指摘されています。

このようなことから、34種類の許可業種の見直しを行い、現状の営業実態に合わせた許可制度にするための動きが始まっています。

2018年以降に行われるとされる食品衛生法の改正によって、食品営業許可制度が分かりやすく、利用しやすい形に変わるものと思われます。この改正では、「許可制度」を取り入れるとともに、「届出制度」の創設なども検討されています。

 

■HACCPの制度化に伴う「食の安全」の確保

 

HACCPが制度化されることにより、飲食店においてもHACCPの考え方に基づく衛生管理が求められます。これまで「食品衛生責任者」や、「食品衛生管理者」を配置して衛生管理に努めていたものから、国際的な基準に則り、より詳細な衛生管理が必要となります。HACCPの考え方による衛生管理を導入することは、食中毒や異物混入のリスクがある食品の提供を未然に防ぐことにつながり、その原因の追及を迅速に行えるようになるメリットもあります。また、HACCPの考え方による衛生管理を導入することで、食品の製造過程や提供過程において、その取り組みが確かな成果として反映されるようになるため、更なる「食の安全」の確保が見込まれます。

 

■営業届出の創設

 

改正が見込まれている食品衛生法では、HACCPによる衛生管理の制度化も検討されています。そのため、営業許可が不要な事業者についても、施設の所在地を所管する保健所が営業の事実を把握できる仕組みが必要となります。

しかしながら、営業許可に係る申請料は、直接自治体の財源にもつながるため、34業種の営業許可を見直すことは、自治体の財政面に影響を及ぼすことが懸念されます。

また、営業届出制度を創設することも検討されていますが、これを施行することで各自治体の担当部門による営業実態の定期的な確認が必要となります。施行によって届出を行わなければいけない飲食店業や食品加工業が増えるため、各自治体はもちろんのこと、事業者側の負担も増えることになります。

そのため、届出に関する手続きの労力を減らすため、電子申請の導入等が検討されています。

 

食品衛生法の改正によって、食品販売許可の申請手続きの緩和化が見込めます。ただし、これまで許可が不要だった事業についても、届出又は許可が必要となることや、各自治体の歳入にも影響が出る可能性があること。また、届出の事業者が増えることで、業務が煩雑化するといったデメリットも指摘されています。今後の検討によって、届出する事項の簡素化や電子申請などの導入など、システム整備も同時進行されることが求められます。

 

※本記事の内容は、2018年4月現在の内容に基づいています。

安全で安心な食品を届けるために食のコンサルティングを始めませんか?HACCPでお悩みでしたらまずはお気軽にご相談ください。詳細はこちら