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飲食店はどのようにHACCPを導入すればいい?

平成30年に食品衛生法が改正され、今後は飲食店を含む小規模食品等事業者に対してもHACCPの考え方に基づく衛生管理が導入されます。

中には、「街の飲食店にHACCP導入なんて不可能では?」という認識を持たれている飲食店の経営者もいらっしゃるかもしれません。

しかし、大規模施設に適用するためのHACCPではなく、飲食店にも弾力的に運用可能な形で導入されていくことになります。

今回は、HACCPの考え方に基づく衛生管理の手法について学んでいきましょう。

 

 

■人に危害を与える原因は微生物・化学物質・異物の3種類

 

HACCPにおいて、人に健康被害を起こすおそれのある因子(危害要因)を分析することは最重要事項です。

その危害要因には、微生物(ノロウィルス、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌など)、化学物質(アレルゲン、ヒスタミンなど)、物理的な異物(金属片、ガラス片など)があります。

食品が消費者の口に入る前に、これらの危害要因を除去又は低減させる衛生管理手法のことを「HACCP」というのです。

 

 

■食品衛生管理マニュアルを作成しよう

 

【一般的衛生管理のポイント】

HACCPの考え方に基づく衛生管理の手法を飲食店に導入する上で、重要な前提条件となるのは、今まで行ってきた一般的衛生管理です。

例えば、原材料の受入確認、冷蔵庫等の温度管理、調理器具等の洗浄・殺菌、衛生的な手洗いの実施及び従業員の健康管理などの項目が挙げられます。

そうした項目を列挙して、食品衛生管理マニュアルを各々の飲食店で作成します。さらに、その項目のチェックリストを作り、記録を取るようにしましょう。

 

 

■調理工程マニュアルを作成しよう

 

【重要管理のポイント】

飲食店に導入されるHACCPの考え方に基づく衛生管理の手法において、重要かつ新しい取り組みとなるのは、メニューを調理工程別に3つに分類することです。

 

第1グループ:非加熱のもの(冷蔵食品を冷たいまま提供)

第2グループ:加熱するもの(冷蔵食品を加熱し、熱いまま提供)、(加熱した後、高温保管)

第3グループ:加熱後冷却又は再加熱するもの(加熱後、冷却し、再加熱して提供)

 

上記のように分類し、その調理工程ごとの危害要因を分析します。そして、その対応策を明確にして安全な管理をしていきましょう。

 

第1グループの重要管理点としては、可能なものは十分に洗浄し、低温(10℃以下)で保管することで微生物を増やさないことです。

第2グループの重要管理点としては、十分な加熱により微生物を死滅させることです。また、過熱後には、二次汚染にも気を付けましょう。

第3グループの重要管理点としては、加熱しても死滅しない微生物(芽胞形成菌)がいることを認識し、加熱後の冷却工程ではできる限り早く危険温度帯(10℃~60℃)を通過させる冷却をしましょう。

 

 

■定期的に工程が守られているかチェック

 

HACCPでは、「危害要因の分析を行い、その管理方法を決めたら、モニタリングを行う」という作業が重要です。そして、モニタリングの記録を取り、管理が適切に行われているのかを検証(場合によっては、是正も行う)していくのです。

しかし、飲食店に導入されるHACCPの考え方に基づく衛生管理は、中心温度を測るなどの厳密な温度管理を適用するものではなく、目視や匂いによるチェックを中心とした運用重視のものとなっています。もちろん、可能であれば温度計を使用した数値での管理をすることに越したことはありません。

飲食店では、こうしたチェック事項を記録・検証・是正して管理していくのです。

 

 

■まとめ

 

HACCPの考え方に基づく衛生管理の手法を飲食店に導入することに、飲食店の経営者は焦りを感じるかもしれません。

しかし、小規模食品等事業者に対しては、コーデックス委員会が定めるHACCPの弾力的運用を適用することになり、今までの一般的衛生管理(一般的衛生管理のポイント)に加え、各調理工程をグループ化して管理(重要管理のポイント)し、その記録を残していく(必要に応じて是正等を行う)といったシンプルなものです。

飲食店の経営者の方々は、この飲食店におけるHACCPの考え方に基づく衛生管理の手法を理解した上で、計画的かつ効率的に取り組んでいきましょう。また、具体的にはどのように進めていくのが良いのかなど、お困りの際には最寄りの保健所やHACCPの導入支援を行っている検査機関等に相談してみるのも良いでしょう。

 

※本記事の内容は、2018年7月現在の内容に基づいています。

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