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HACCPによる危害分析(危害要因分析)とは?(メリット・方法・注意点)

HACCPによる危害分析(危害要因分析)とは?(メリット・方法・注意点)

HACCPによる衛生管理手法の中に危害分析(危害要因分析)というものがあります。

危害分析は、HACCPにとって非常に重要で基本とも言える部分です。

では、そもそも危害分析とは、どのようなものなのでしょうか?

また、危害分析は、どのようなことに注意して、どのような方法で行い、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 

 

■危害分析とは

HACCPは(Hazard Analysis and Critical Control Point)のそれぞれの頭文字を取った略語になります。

この言葉は「Hazard Analysis(HA)」と「Critical Control Point(CCP)」の2つに分けられ、Hazard Analysisが危害分析、Critical Control Pointが重要管理点となります。

HACCPは危害分析(HA)し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じれば、より安全な製品を得ることができるかという重要管理点(CCP)を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法となります。

 

では、危害分析とは、どのようなことなのでしょうか?

危害分析とは、製品に残存するおそれのある危害要因を全て洗い出す作業のことです。

危害分析が正しく行われなければ、誤ったHACCPプランを作成することになり、思わぬクレームなどが発生するおそれがあります。

そのくらい危害分析はHACCPにとって重要な部分なのです。

次の項では、どのようにして行えばよいのかをご説明します。

 

■HACCP導入の12手順[7原則]

HACCPの導入は、基本的に12手順[7原則]に従って進めていきます。今回ご紹介している危害分析は、その中の1項目(手順6[原則1])となります。

危害分析(手順6[原則1])を行う前に、手順1~5のステップを踏んでいく必要があります。

まずは、その全体像をつかむために12手順[7原則]を簡単にご説明します。

 

手順1:製品の全ての情報が集まるように各部門の担当者でHACCPチームを作る

 

手順2:製品がどんなものなのかを書き出す(製品説明書の作成)

 

手順3:製品が誰にどのように食べられているのかを書き出す(製品説明書の作成)

 

手順4:製品の製造工程をまとめする(製造工程図を作成)

 

手順5:手順4でまとめた製造工程図が間違っていないか、製造現場で確認する

 

手順6[原則1]:手順4でまとめた製造工程ごとにどのような危害要因が潜んでいるのか

を考える(危害分析)

 

手順7[原則2]:手順6で挙げた危害要因の中で、健康被害等を防ぐために特に重要な要因で、厳重に管理しなければならない工程を見つける(重要管理点の決定)

 

手順8[原則3]:手順7で見つけた工程を管理する基準を定める(管理基準の決定)

 

手順9[原則4]:手順8で定めた管理基準が常に達成されているのかをチェックする

 

手順10[原則5]:問題が起きた場合の対策を前もって決めておく

 

手順11[原則6]:手順1~10までが有効に機能しているのかどうかを見直す

 

手順12[原則7]:各工程の管理状況を記録する

 

 

■危害分析の方法は?

危害分析は、具体的に以下のような方法で行います。手順6[原則1]に当たりますが、手順3~5も交えて解説していきます。

 

1.製品の特性、意図する消費者などを記載した製品説明書を作成し、製造工程図を作成する。

「どのような製品を作り」「どのような消費者に」「どのような調理方法で食べてもらうのか」「その商品がどのように原材料を受け入れ、どのように保管され、その後、製造、加工、包装及び出荷されているのか」などといった、製品説明書と製造工程図を作成します。

製品説明書や製造工程図を作成する上で大切なことは、話し合い等で作成した後に、現場を確認して間違いがないかを確認するということです。

万が一製品説明書や製造工程図が間違っていると、正しい危害分析を行うことができなくなります。

 

2.作成した製品説明書と製造工程図を確認し、原材料及び工程に危害要因がないか確認する。

この工程こそが危害分析と言われる工程になります。

確認する流れとしては、

①原材料や製造工程、流通から消費段階までの各工程においての潜在的な危害要因について、製品説明書や製造工程図を基に考えてまとめる。

②想定し得る潜在的な危害原因について、その危害の起こりやすさや危害の程度等を明確にする。

③各々の危害要因をどうすればコントロールできるかを検討し明確にする。

 

では、危害要因とは、どのようなものなのでしょう

危害要因は、3つに分類されます。

①生物的:原料由来あるいは工程中に汚染を受ける可能性がある微生物。

②物理的:金属、ガラス、硬質プラスティックなどの混入する可能性がある硬質異物。

③科学的:原料に残存している可能性がある農薬、誤って混入する可能性がある化学物質。

 

ここで挙げられた危害要因について、工程で除去や低減できるかどうかを確認する作業が、CCP(重要管理点)の決定になります。

そして、決定したCCP(重要管理点)を連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法こそがHACCPとなるのです。

つまり、危害要因の分析がしっかりできないと、正しいCCP(重要管理点)の決定ができずに、思わぬお客様からのクレームにつながる可能性が高まります。

 

 

■危害分析のメリットは?

では、危害分析を行うメリットにはどのようなことがあるのでしょう。

ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。

 

1.潜んでいる危害要因を全従業員が共有できる

製品に潜んでいる危害要因は、その担当部署では分かっていても、事業所全体では把握できていないというケースが多々あります。

各部署の担当者で構成されるHACCPチームによる危害分析を行うことで、それまで、その危害要因と関わりの少ない部署にまで情報が行きわたり、全従業員で同じ危険要因を共有することができます。

結果、会社全体の衛生意識が向上することにつながります。

 

2.どの危害要因への対応が優先なのかを明確化できる

危害要因には、すぐに健康への影響等があるものとそうでないものがあります。

今まで気付いていなかった緊急性の高いものなどが発見されることにもつながり、何が重要管理点なのかを明確にすることができます。

 

3.万が一問題が起きた際に、早急な対応が取れる

危害分析を行うことで、起こり得る問題を予め分析し、その対策を定めることができます。

それにより、問題が起きた際の対応も最小限にすることができます。

 

 

■危害分析の注意点

では、危害分析を行う際の注意点には、どのようなことがあるのでしょう?

 

1.その製品に関わる全ての部署の担当者で行う

危害分析は、その製品に関わる全ての部署の担当者で行わなければなりません。

一つの製品には多くの部署が関係しています。

その中の一部署が抜けただけでも、危害要因として挙げるべきことが漏れてしまうかもしれません。

確実な危害要因の分析を行うためにも、全ての部署の担当者で行うことが重要です。

 

2.机上だけでなく現場と照らし合わせる

まずは集まった担当者で、机上での分析をすることが必要です。

しかし、机上での分析だけで終わってしまってはいけません。

担当者が考えていることと、実際の現場では流れが変わっていることもあります。

話し合って決めたことは必ず実際の現場と照らし合わせて、間違いがないのか、机上では見えなかった問題はないのかを確認することが重要です。

 

 

最初にも述べましたが、危害分析はHACCPにおいて基本中の基本です。

危害分析を基にして、重要管理点を定め、それを基に連続的に監視をしていきます。

HACCPの心臓部とも言える危害分析は、上記の注意点なども含めて、確実に丁寧に行いましょう。

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