一般財団法人 石川県予防医学協会 料金一覧   フロア案内   アクセス・駐車場

HACCP導入時の進め方とは?

HACCP導入時の進め方とは

HACCPの制度化に向けて、今から取り組むという食品事業者も多いと思います。

しかし、いざ取り組もうとした際、どのようにして取り組めばいいのかが分からない方も多いでしょう。

そこで、HACCP導入時の進め方についてご紹介します。

 

 

■HACCP導入にあたっての前提

HACCPは、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格委員会(CODEX委員会)から発表されている衛生管理の手法です

 

厚生労働省のサイトでは、HACCPについて以下のように説明しています。

「HACCP とは、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の 危害をあらかじめ分析(Hazard Analysis) し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得る事ができるかという 重要管理点(Critical Control Point) を定め、これを連続的に監視する事により製品の安全を確保する衛生 管理の手法」

引用:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/

 

HACCPの導入にあたっては、CODEX委員会の「HACCPシステムおよびその適用のガイドライン」に示されている7原則12手順に沿って進めることになります。

 

しかしながら、その前提条件として一つ重要なものがあります。

それは、一般的衛生管理ができているということです。

一般的衛生管理とは、安全な原材料の使用や製造環境等が清潔で衛生的な食品の製造・加工環境を確保するために整備しておくべき要件となります。

現状で一般的衛生管理ができていなければ、HACCPの導入を進めることは困難になります。

まずは、一般的衛生管理の実現が重要となります。

 

 

■HACCP導入時の進め方は、どのような手順?

では、HACCPを導入する際には、どのような手順で進めれば良いのでしょう?

厚生労働省のホームページに7原則12手順について示されていますので、それに沿ってご説明します。

 

手順1: 製品の全ての情報が集まるように各部門の担当者で、HACCPチームを作る

最初にするべきことは、HACCPの導入に向けたチーム(HACCPチーム)を結成することです。

HACCPの導入には、製品に関する全ての情報が必要になります。

そのため、製品に関わる全ての部署の担当者によるチーム編成を行います。

 

手順2: 製品がどんなものなのかを書き出す(製品説明書の作成)

HACCPを導入するにあたり必要なことは、どのような製品を作っているのかを把握することです。

このとき、「製品の名称及び種類」「原材料や添加物の名称」「製品の特性」「包装形態、単位と量」「容器包装の材質」「消費、賞味期限と保存方法」なども書き出します。

 

手順3: 製品が誰にどのように食べられているのかを書き出す(製品説明書の作成)

製品がどのような人に、どのような方法(調理方法など)で食べられているのかを書き出します。

 

手順4: 製品の製造工程をまとめする(製造工程図を作成)

製品がどのように原材料を受け入れ、どのように保管され、その後どのように製造、加工、包装及び出荷されているのかを書き出します。

 

手順5: 手順4でまとめた製造工程図が間違っていないか、製造現場で確認する

手順4で書き出した製品の作り方に間違いがないかを、実際に現場で確認し照らし合わせます。ここで漏れや間違いがあると、その後の手順に大きく関わってきますので、確実な確認が必要となります。

 

手順6[原則1]:手順4でまとめた製造工程ごとにどのような危害要因が潜んでいるのか

を考える(危害分析)

手順4でまとめ、手順5で確認した製造工程の中で、どのような問題が起きる可能性があるのかを考えてまとめます。

まとめ方としては、「どのような工程で」「どのような要因があるのか」「その要因は重大な要因なのか」「その要因が起こる原因は何か」「発生を防ぐにはどうすれば良いのか」などになります。

 

手順7[原則2]:手順6で挙げた危害要因の中で、健康被害等を防ぐために特に重要な要因で、厳重に管理しなければならない工程を見つける(重要管理点の決定)

手順6で様々な危害要因が潜んでいることが分かってくるでしょう。

その中でも「加熱殺菌工程」「冷却工程」「異物検出工程」など、特に気を付けなければ健康被害に直結してしまう工程を見つけ出します。

 

手順8[原則3]:手順7で見つけた工程を管理する基準を定める(管理基準の決定)

健康被害を防ぐために、特に気を付けるべき工程を管理する基準を決めます。

分かりやすい例を挙げると「加熱殺菌工程で○度以上の温度で○分以上加熱する」などです。しかし、工程によっては数値で表すことが困難な場合もありますので、色や形状などで基準を定める場合もあります。

 

手順9[原則4]:手順8で定めた管理基準が常に達成されているのかをチェックする

HACCPは、基準を決めるだけでは意味がありません。

危害を分析し、対策し、連続的に監視する手法となりますので、基準が常に守られているのかを、しっかりとチェックする必要があります。

 

手順10[原則5]:問題が起きた場合の対策を前もって決めておく

どんなにしっかりと考えて決めたことでも、問題が発生する可能性はあります。

そのため、「どのような問題が起きたら、どのように対処する」ということを事前に決めておく必要があります。

それにより、問題が発生した際にスムーズな対応が可能になります。

また、問題が起きた場合には「どの商品が」「どの工程で」「どのような問題が起きて」「どう対処したか」をしっかりと記録に残しておきます。

 

手順11[原則6]:手順1~10までが有効に機能しているのかどうかを見直す

何事も計画だけで終わってしまっては意味がありません。

そのため、それまでに行った手順を振り返り、その手順どおりに機能しているかどうかを見直す必要があります。

そこで、問題があれば、HACCPチームで議論・検証し、改善することが重要です。

 

手順12[原則7]:各工程の管理状況を記録する

取引き先等から、どのように衛生管理を行っているかについて、質問をされることなどがあると思われます。その際にしっかりとHACCPを実施しているという根拠資料とするためにも、管理状況を記録として残しておく必要があります。

また、記録に残しておくことで、問題が発生した際に、その原因を迅速に判断し究明するための手助けにもなります。

参考:

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/haccp_leafleta.pdf

 

HACCPの導入手順は、このようになります。

上記の手順1~5が導入するにあたっての準備段階です。

各部署の実務に精通している人たちでチームを作り、製造から消費までの製品の流れをしっかりと把握しましょう。

また、現場で実際に行われている作業工程に間違いがないかという確認は特に重要です。

改めて確認するいい機会でもあるので、しっかりと確実に確認してください。

 

 

■基本となるHACCP導入の進め方

HACCPは、一つひとつの手順を見ていくと、難しく感じられるかもしれません。

しかし、基本はPDCAサイクルを回していくことになります。

P=PLAN(計画)

D=DO(実行)

C=CHECK(評価)

A=ACTION(改善)

計画を立て、それを実行し、その結果を評価し、より良く改善する。これもまたHACCPを運用していく基本的な考え方になります。

また、一般的衛生管理の実施が不十分な場合には、HACCPの導入と並行して一般的衛生管理を実施することも可能です。

 

 

HACCPの導入と聞くと、非常に難しく考えてしまう方も多いでしょう。

確かに国際標準とされている衛生管理手法のため、求められることも多くなります。

しかし、示されている7原則12手順に沿って取り組んで行けば、そこまで難しいものではありません。

また、HACCPの導入を進めていくことで、今まで見えていなかった問題点を発見できることもあり、単にHACCPの導入だけではなく、それ以上のメリットをもたらしてくれるものになる可能性もあります。

安全で安心な食品を届けるために食のコンサルティングを始めませんか?HACCPでお悩みでしたらまずはお気軽にご相談ください。詳細はこちら