大腸がんスクリーニング検査 便潜血検査便


潜血検査は、消化器官からの出血を調べ、主に大腸がん発見の役割を担っています。本会の検診では、ラテックス凝集反応を利用した免疫測定法で検査しています。これは、ヒトのヘモグロビンに対する抗体を用いて糞便中のヘモグロビンを特異的に検出する方法であり、特異性が高いために食物や薬剤による偽陽性・偽陰性反応が少ないので、面倒な食事制限の必要がありません。食生活の欧米化に伴って、わが国でも大腸がんの増加が問題となってきていますが、この抗ヒトヘモグロビン抗体を用いる便潜血検査は、苦痛を伴わず、大腸がんなどの下部消化管出血を主徴とする疾患のスクリ−ニング検査に大変有用です。

採便方法

免疫便潜血検査で重要なのは採便方法です。容器の採便棒を引きぬき、先端のらせんのみぞ(1cm)で便の表面をなでるようにできるだけ広く取ります。便は個々に構成成分の割合が違い、一定の採取が難しく、又、健常者にも少量のヘモグロビンが存在するため、採取過多は偽陽性につながる恐れがあります。また、採便回数は2日に分けておこないます。この理由として、1日法では見落としが多く、又出血が毎日ではないためです。採便後は、ヘモグロビン反応の低下を防ぐため、冷蔵庫のような冷暗所で保存するのが望ましいです。


採便日

できるだけ検体提出日と、前日、或いは前前日までののものが望ましいです。又、女性は生理中の採便は血液の混入の恐れがあるため避けたほうがよろしいです。


測定方法

ラテックス凝集反応を利用した免疫測定法です。抗ヒトヘモグロビンAo(HbAo)抗体をポリスチレンラテックス粒子に感作、調製されたラテックス乳液と検体とをセル内で混和反応させ攪拌すると、抗原−抗体反応を開始して粒子は凝集を始めます。この凝集を光学的変化としてとらえると、変化量は検体中のHbAo濃度に比例して増加します。この原理を応用して既知濃度の標準から検量線を求め、検体中のHbAoをレ−ト的に測定しています。


測定結果の判定 130ng/ml 以上を陽性として報告しています。


異常結果の臨床的意義、他の検査項目との関連

便潜血検査はあくまでも便に血液の混入があることを調べるものです。そのため、陽性の場合、大腸がんをはじめとし、炎症性疾患・痔等出血性病変のある可能性があるため、大腸内視鏡検査や注腸透視検査などの精密検査が必要であると考えられます。また、検査が陰性であっても,早期がんなどの出血だけでは発見しにくい病変の可能性があるため遂年検診の必要性が考えられます。


Last up date; 22/2/00